営業トーク
チアーヌ

眠っていたら、声がした
隣の部屋に、営業が来ている
マンションは鉄筋コンクリートだから
声がとても響く
内容はわからないが誰かが営業している
わたしはドアの側まで行き耳を押し当てる
明るい昼間、営業は営業トークを繰り返す
何を営業しているのだろうか
隣の人の声は聞こえない
気配もしない
わたしは胃酸過多で苦しい胃を押さえ
毒息を吐きながら耳をそばだてる
しだいに声は遠のき営業は終った
足音はわたしの部屋の前を素通りしていった


自由詩 営業トーク Copyright チアーヌ 2005-10-20 10:41:27
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