ハイになった?
虹村 凌

女の子が僕に言う
指が別の生き物の様に這い回る
指の芯まで目覚めてゆく感覚
世界は柔らかく歪み光る
浮き上がる体を抑えきれず
目の前にいる女の子を
押し倒せそうな気分になる
小指の爪が逃げてゆくのを
目の前にいた女の子が捕まえた
腹の底から「スキっと爽やか」☆
なスマイルが込み上げる
喜び
今ならなんだって言えるって感覚
そうでいてどこかに集中する神経が
俺を不安の底に叩き込まれる

Juck Off&Fuck Off
夜のHit&Away戦法
警察署だってFuck Up
使えもしない英語っぽい言葉を振り回して
偉そうにしてるラッパー達を
片っ端からカップ麺に沈めて
俺のおやつにしてやろうと思う

女の子は微笑み
俺の意識をご飯粒で作られた部屋へとたどり着く
俺が首を横に振ると
彼女は俺を味噌汁の海へ叩き込むのだ
溺れかけた俺はやっとの思いで豆腐にしがみつき
よじのぼった豆腐の上で
死にかけた魚のように息をする
電子レンジくらいのカプサイシン
つまり巨大なキムチが上空から落ちてくるのを眺めながらッッ!
俺はッッ!
こんな状況だからこそ俺の生きる道を生きっ!!!
自分の信念を貫いて生きたいッッ!
親の期待を裏切り、友人の信用をも失うこの行為だが、
俺は俺の道を行く!
昇り行く朝陽よりも美しく
沈み行く月よりも輝く俺の覚悟ッッ!
それはッ!詩を書くことでも煙草を吸うでも無く
Jack Offする事ダアアアアアアアアアアアッ!

コンタクトが外れて脳みそを肥大化させるための餌になる
死んだ指が煙の中でジブラルタルを
生きた指が煙の中で廊下を笑い転げる
説教された図太い黒人はダークホースと名乗り
みんなは「ウマ並なんだろう」と口々に悔しがった

むふふふふふふふふふふ☆

ドラえもんが爺になったらこんな感じなのか
そうケツで感じ取った

キムチ(カプサイシン)の隙間がちょうど俺を助けてくれた
俺はその日、240回目のJack Offを向かえ
少し疲れた体を横たえた

ビタミン剤は砕けない


自由詩 ハイになった? Copyright 虹村 凌 2005-10-20 09:59:19
notebook Home 戻る  過去 未来