真冬の夜の悪夢
虹村 凌

耳の奥から突き抜けて
背中前面を支配する重さ
指が別の生き物のように動き回り
小指だけが言うことを聞かない
頭の奥が締め付けられて
俺は生きてきた事を後悔する

セックス欲が急速に頭をもたげ
自分で自分に「性欲って言えよ!」と言うのに5秒もかかった

月夜を見るたび思い出せ
俺はお前に命を救われたんだ!

眠りに支配される
踊り続けるジミーが
戦争へ行ったジョニーを心配している
香田って男は俺に罵倒され
何処かで誰かを泣かせる
涙は止まらない


人間が生きている限り
戦争はなくならない
これは戦争を推薦する言葉じゃなくて
事実を言ったまでなのだ
誰かが人間を纏めたくなっちゃって
もしくは生きてるのが嫌になっちゃって
神サマなんての作っちゃったから
話がこんがらがっちゃったわけで
じゃあ人間がみんな死んでしまえば良い訳じゃない?
俺はそれを阻止するべく
日々セックスに励みたいと神頼みしている

そろそろ眠る時間だ
おやすみヴェイヴィ
それが利口ってもんさ

俺は愛しい髪の毛に口付けして寝る
(君はもう白骨になっちまった)


自由詩 真冬の夜の悪夢 Copyright 虹村 凌 2005-10-19 14:56:15
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