ひとでなし
石川和広

とりかえしの
つかないことを
してしまった
そのひとの顔がみえないところで
おそろしい場所で
またひとつ
大切なものを
ふみにじってしまった

ぼくは
ぬけぬけといきのびるだろう

ぼくが
ふみにじったものを
置いて

そうするしかできない
あやまったらおかしい
ぼくは反省ができない
そうして
詩をかく
ひとでなしだ

そのひとの声がきこえるようだ
いつもぼくはまちがった言葉をはきつづける

おんなに


未詩・独白 ひとでなし Copyright 石川和広 2005-10-11 22:04:46
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