はげしいゆれ
石川和広

やみのなかで
しらないうちに
からだがおぼえていて
あいしかたを
しらなくても
わななきながら
さえずっている

ちちはひとりで
はかまいりにいき
むなしいよと
ちちはつぶやいた

ぼくはふあんだった

きょう
ぼくはげんきですか?
いそがしいですか?
うそばかりついています
とっさのときに
なけないとりです
さようなら
いまよるですか?
いやらしいひとです
むねにこおりをあてなさい
みみをたてましょう
どいてください
わたしがさきです
たしかひかりがみえました
あのときあのひとは
なにもいえなかったんです
ちがいます
はげしいゆれです
うみがひとつきえました
ほしがわらっています
むしがわらっています

ならいたてのことばを
さいごのつながりとして
いっしょうけんめい
さけぶが
とどかないのだ

またうみがきえました
ほしいものはなんですか

うまれるまえに
うまれたときの
しるしをしりたいだけ


自由詩 はげしいゆれ Copyright 石川和広 2005-09-22 22:52:42
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