初期の警告
吉岡孝次

空が大地の蔭に入るゴールデンアワーに
むやみと明るい部屋で本を読む小心を
切り換えてみた。
新しい生き方はドアの前で踵を返したらしく
ディスプレイが
人目に触れることのないスクリプトをのうのうと
薄暗い部屋にさらけ出していた。
きみの人生はきみのもの
しかし重荷のあるほうが遠くまで行ける、と
いつしか軽くなっていた背中がぼやいているような気がする。
だから言っただろう、とは父祖の後知恵。
ただ僕自身は違う戒律を幼年期より
Vectorの誘うまま用意はしていたはずだった。


そうは言ってもありのままはありのまま、
啄木ばりにローマ字で格好つけた現在を綴っている。
空想科学の嘘をシフトキーに 見破り


自由詩 初期の警告 Copyright 吉岡孝次 2005-09-17 21:24:26
notebook Home 戻る  過去 未来