むらさめ
ヤギ

もっと、もっと激しく降ればいい
雨は夜に降りこのまま私は助かるのかもしれない
夢はみない
眠ってしまったから


ばちばちと
音を立て雨が涎を垂らしつつ私を背中にそっと入ろうと


濡れていないものなどあるものか


もっとばちばちと音を立て激しく降らないと
温度が下がってしまう
雨に止んでしまう


雨は止んでしまうという理をやっと手に入れたようです


うるさい、うるさいうるさい
そんなことがあるものか
お前など


止んでしまえ


雨だれの音が穏やかで
聞いている分にはそれは温かいようだった
雨が降れば花は開くのだったか
閉じるのだったか



自由詩 むらさめ Copyright ヤギ 2005-09-13 03:51:09縦
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