くりごと
落合朱美



一夜の戯れ 夢や現つや
うす桃色の 紅のゆくへや

君の御手の うなじに触れなば
わびし心に 月の灯らむ
荒れ野の果ての 草木を分けて
あえかなる身に 花の咲くらむ

我れを召されよ 狂ほしきほど
白き花弁を 血に染め流し
君が御色に 変化へんげせむ

夜の明けぬればいたづらなり 
一人る身の置き所なし 

君の残り香消えぬ間に
ふたたび逢ひしこともがな 

君があだし心根は
恋とは如何におぼしきや





自由詩 くりごと Copyright 落合朱美 2005-09-08 06:29:37
notebook Home 戻る  過去 未来