鳥媒禍
吉岡孝次

1.
日輪を遮らず 烏は
二本の足を地につける
羽根は
格納音もなく 胴に
寄り添う甲殻

2.
「暑い」かどうかは
鳩にでも訊いてくれ
黙秘を決め込んだら
おおよそ クロ

3.
一羽
また一羽

4.
畜舎はキマイラ
類は溶接されてゆく

5.
夕日の集落
呻き声
崩れ落ちて

6.
封鎖は間に合わない
無秩序に溺れる暇(いとま)も

7.



自由詩 鳥媒禍 Copyright 吉岡孝次 2005-09-03 21:41:22
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