整理整頓
tonpekep

むかしがありました
むかしはいつまでも待っておりました
風は砂時計のように
失ったものをひっくり返し
また失いはじめるのでした

たった一本の
傾いた光の下で
自分を整理整頓したりするのでした
ただ自分を片づけていくうちに
いつの間にか見失ってしまうのでした

秋の夕くれ
本を読むしかすることがなく
一冊読みきってしまうと
記憶に
隠れていたわたしを見つけたりするのです

幸せだったりするのです
塗りつけられた時間の空に
暮らしが浮かんでいたりする
ドアを開き入ったり出たりする
それが幸せだったりするのです


自由詩 整理整頓 Copyright tonpekep 2005-08-31 20:04:25
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