夜の実
砂木

枝に ぶら下がってる
偽者の太陽

発火を夢みて
まどろむ 花弁

かかってくる
濃い 夜の 暗い闇

閉じない 瞳
はずれない 翼

あたたかいのは 私だけ
じっと 冷えた 世界に
まみれ えない 

連なってる 家々の 屋根に
まもられて くだかれて 

朝に うずくまって
消える 実の 鳴く 

のぞむだけの
切り倒された 枝に ぶら下がる

漆黒の 閉じた朝に ついえた
腕に 抱く

偽者の太陽
それでも 太陽の あなた


自由詩 夜の実 Copyright 砂木 2005-08-30 07:13:28
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