水色の世界
石川和広


ひゅうるうるう

風がなった

うーともないた
マンションの中にいる少し苛立つ僕に
窓から

風は声に聞こえる

今日彼女を後ろに乗せて
あるいは
かわりばんこに
新しいチャリンコで
青い空と
ウロコ雲を
見に出かけた

おかしいね
坂をのぼる

砂利道から
お寺の門をよこぎって
雲が動いていくよ

見上げる
反転する世界

子どもが水を撒いている
おじいちゃん笑いながら止める

また水を打つ

その繰り返し
昼下がりの
水色の世界

かけていく時は
ぼくらを少し残して

時は
雲の形みたいに
風がちぎらせ
やがて
回ってゆく


未詩・独白 水色の世界 Copyright 石川和広 2005-08-26 17:36:09
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