すなあらしのダンス
石川和広

おお
なんとなく
さびしいではないか
お巡りさんが通った
ぼくだけ許されない感じ

青い制服で
バイクを走らせて行く

昔万引きがとまらなかった
怒られたいのに
みつからないように
していた

しずかなとおりを
はんかがいのなかを
冷や汗かきながら
とおりぬけた

でんしゃにのった
いちばんちかいえき
のきっぷかって
たって
すわって
とおくへ
とおくへ
カラダをはこびたかった
きせるがばれた
たくさんのおかねを
はらい
やまのなかを歩いた

やまのなかで
ますたーべーしょん

むかししろがあったところだ
馬場のあとがあかるくてらされて
したくさがかがやいていた

空き地とは
ないのであるばしょ

ここまでカラダを
はこんできた

すなあらしのような
カラダのすきまかぜをもてあましていた

いまはそんなことしない
おどりつづけている
すなあらしは
だんだん
きおくからうすれる

しかし
カラダのふかく
きざまれて
ここにいて
いなくて

いきている
すなあらしのおもいでと
おどっている


自由詩 すなあらしのダンス Copyright 石川和広 2005-08-25 14:51:00
notebook Home 戻る  過去 未来