石川和広

僕は恋の中で
生き直す
日々は
単なる
日々に近く
遠い
ひびわれた
地表から
静かに
氷であった水が
ゆっくりと
溶けて流れる


べり
皮に滑りおつ
ように
かなしみに
含まれる
何か鈍いろ
の時間の中で
君は
明日少し旅に出てくるの

支度をしている
僕は
ひとりになるね
なんて
小さな山の旅
互いに木の時間に
入る
僕は小さな画面から
われてしまった
硝子コップを
見るだろう
いじけたり
すねたり
ねむくなったり
引き伸ばされて
留まったり
僕は少し小さくなる
いつか
ほんとうの時間を
いきる


深い息がつけない
もっと
脳裏静かに
明日

いってらっしゃい
を云うだろう


未詩・独白Copyright 石川和広 2005-08-22 23:01:09
notebook Home 戻る  過去 未来