よんでいる
石川和広

なかなか
おとこのこであることがやめられない
じぶんが
ばらばらだからかな?
おとこのこの
のこりかすがもえくすぶっている
たぶん
おんなのこがもえるのとは
ちがうにおいがするはずだ
そんなきがする

おとこのこが
もえくすぶるとき
なかない
ばらばらになった
むねのにくへん
だけがなるのだ
だれもとらないべるみたいに

かのじょのまえでは
おかあさんのことおかあちゃんとよぶ
おかあさんのまえではおかあさんとよぶのに

よびなは
だいもんだいだ
よびなは
あいのかたち
かもしれないからだ
ぼくのなかのおとこのこ

すこしおとなのぼくが
ちいさいこえで
ぎろんしている
やっぱりおかあさんのまえでは
おかあちゃんとよべないな
おとこのこのぼくがいう
でも
かのじょのまえでは
おかあさんのこと
おかあちゃんとよぶんだ
おかあちゃんのことすきなんだろ

すこしおとなのぼくがいう

ひきさかれたにくへんが
ひめいをあげる
そのしたにはおかあさんがいて
どうこえをかけていいか
とまどっていると
そうぞうすると
どきどきする

かってな
そうぞうであるのか
おかあさんは
じぶんのじんせいが
おもたいのかもしれない
そうおとなのぼくは
おとこのこのぼくにいう

どこかで
ちいさいおんなのこがないている
おとこのこのぼくには
きこえる
おとなのぼくは
そんなしんぱいしなくていいよ
というが
どこかとおいこえになっている


未詩・独白 よんでいる Copyright 石川和広 2005-08-11 20:59:56
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