うた
tonpekep
ぼくらはあまりにも醜いから
醜いから誰かに会うことが恐くて
となりの惑星にさえまだ行く勇気がない
そんな醜いぼくらのせめてもの救いは
この星にうたがあるってことだ
どこを捜しても どこを切ってみても
またどこを見つめても
うたがあふれているってことだ
否もしかしたらこの星は
うたが積み重なってできたのかもしれない
楽しいうた かなしいうた
愛のうた 別れのうた
出会いのうた 秘密のうた
呪いのうた 願いごとのうた
そうして何億年も積み重なって
この星はできたんだろう
きっと
風の透き間から
また雲の膨らみから
或いは大地の地熱から
うたが聞こえてくるとき
ぼくらはこのうたの星の
歴史が好きだったりする
ぼくらはたくさんのうたの中で
生きたり
死んだりする
それはぼくらが醜いってことを
ちょっとだけ忘れられる