エントロピーの黄昏
いとう


体温と体温が混じりあい
肌と肌の境界を失うように
わたしとあなたも、また
いつしか混じりあうのだろうか
それとも、また
いつまでも失い続けるのだろうか

熱的終焉の果て
触れあうことに気づけないのなら
そこには、もう
わたしたちを知るものはいない
よすがなく雪崩れこむ
あなたのその膨大な熱量は
わたしに受け取られ続けるだけで
何も語ってはいない

消失する落差
名のない世界
それすらもない
終わりすらない
あやまちもない



未詩・独白 エントロピーの黄昏 Copyright いとう 2005-08-03 08:52:54
notebook Home 戻る  過去 未来