朗読髑髏
吉岡孝次

水汲みや
弟たちの世話がある
学校だって遠い

夜 目を覚ます
星が道しるべ
洞窟まで
一人で

煤を立ちのぼらせ
教科書を開く
栞のあったところを指差すと

髑髏は

澱みなく 前の続きを 
朗読しはじめる

そうして次の日から また
家の仕事の合間を縫って
忘れてしまわぬよう
小さな声で


自由詩 朗読髑髏 Copyright 吉岡孝次 2005-07-26 20:12:14
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