極東時刻
不老産兄弟
仮にも新橋に住む
黒田さんが酔っぱらうとゆりかもめが運転を見合わせるというのなら
掌ほどの大きな蛙を大使館になげこみたいよね
いつの間にか俺たちも年をとったんだな
なんていいながら
それはさておき
伝説とは何様だ
数え切れない性の
内股百姓
(
うちまたびゃくしょう
)
が
農具をまとめちゃ家路につく準備こそしているが
あれは自己防衛の表出に過ぎんなどと
表立って口にはできないけれども
黒田夫妻は食卓につくやいなや
顔を見合わせてため息をついた
三十余年の結婚生活の中で未だかつて
些細な結婚すらしたことがなかった二人が
ため息をつくなんて
だれも信じてはくれないだろうが
そんなこと重々承知の上
そこを何とかとお願いしているわけだが
どうだろうか
食卓では
まず夫が周辺をせめる
すると妻がまた大きなため息をつく
伝説が内股でまってる
てくぃらを
すすりながら
またいじけてるのだ
早い話
決して酔えない
保守的きわまりない
終電のばかやろうのことさ
自由詩
極東時刻
Copyright
不老産兄弟
2005-07-20 09:16:51
縦