「銃弾の入った頭で考えたひとつの事」
又一
少年たちは愛も知らないまま
機関銃と手を繋ぎ
あくびをしている君達や
あどけない顔の君も壊すんだ
もっとよく愛について知っていれば
もっと愛について話していれば
それがなにより大事だって気付いたのに
もっと君を愛していれば
しっかり手をつないでいれば
君を放って、こんなところで泣くことはなかったのに
死人は
大地にねそべって
腐る
地をはう人は
重痾のごとく
積み重なって
叫ぶ
地獄をそのまま引っ張り出した
戦場の夜
銃弾の入った頭で考えた
たったひとつのこと