ピラニア
みい

通りすがりの人に頭を殴られたときに
どこかでしあわせになったあたしが
鼻血を流し、ぐらんぐらんの脳みそで
汚れる制服とアスファルトを
きれいに混ぜた

人を殺してばかりのきみの
本当は殺されたいというところで
あたしは生きているかのように

きみのただれたノクターンの中では
誰の指先も探せず、
そういうので泣いちゃうような
よくわかんない味のするので
お腹がいっぱいになったらいいのにね

ゆめで2人のピアニストに会い
そのうちの1人がきみだと言う

きみは一体どれがあたしだかわからずに
ひとりずつ
順番に食べてみればいいと
言いながら

死んだら可愛がってくれる?

と聞いたあたしを食べた

音楽室ではショパンが
素晴らしいノクターンを弾いていた

誰の指先も探せなくても良かった

きみの
どっか世界の欠けたような
あのノクターンを食べて
ひきちぎりあうので、
いっぱいいっぱいのあたしたちが
鍵盤の黒に光を見た


自由詩 ピラニア Copyright みい 2005-07-18 18:07:03
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