麦畑
るか

刈り入れ、葉、枯れ

わたしたち。   

貧窮は カタカタ  呼ばわる
明るさについて。

茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。     鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた。

鼓膜は、
黄ばんだ風の中、
ふるえている

「その、殉教の青年の部屋にも
つたないインクの文字がにじむ
書き込みで一杯の詩集がある」

ひとは、仮面を被せ、焼き付ける、
汚辱とは 何だったろう

星の光が肌を刺すほど
深まった 夜の 麦畑に臥して
うごめいている人のにおい

刈り入れ
 



自由詩 麦畑 Copyright るか 2005-07-18 01:57:58
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