振り返って浸ってみる
吉岡孝次

等高線のように海藻の打ち上げられた砂浜を
泳げるだけの美しさを持ち堪えた細波へと
肋骨を運んで

母が防空壕で泣いた町 四倉(よつくら)でも
父が敵機から身を伏せた郷 千々石(ちぢわ)でも

アトラクション

爪先で底を蹴り
しばし 陸生を逆手に取っての


自由詩 振り返って浸ってみる Copyright 吉岡孝次 2005-07-14 21:01:58
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