棲む
山内緋呂子

目を 吐き
草を 食べ
今生の 別れに今 抗うものがあれば


砂糖で できた林檎を
黒風呂敷で 包み
きびすを返そう

つかんだ者は やがて堕ち
つかまぬ者は 行ってさよなら


樹木の下に 雨が宿るなら
剣を刺し
巣をつくろう



い草の薔薇でも
あなたが 喜べば
イバラの冠を つくろう

その下に 立て


立ったなら
穴は 空き
い草が 蓋をし
居住地と なればいい


雨が しのげる




眠ってばかりいると 死ぬぞ


自由詩 棲む Copyright 山内緋呂子 2005-07-07 04:50:55
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