真珠の墓
ヤギ

ブローチを包んだふたりの手のひら真珠貝

そのまま取って置きたいと思った冷たい毛先のにわか雨

ひとつひとつキズを覆った笑顔真白より少し優しい

決して触れ合うことはない生きている限り

どれほどの物をつくれるのか怖ろしいそして君はそれを

二つの真珠入れ替わるという空想は胸を貫いて

そばにいるだけでぽたぽたと零れて名前をつけたうれし涙

貝殻に包まれて積もる幾億万の真珠の墓


自由詩 真珠の墓 Copyright ヤギ 2005-06-18 19:12:08
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