Shaman's Lullaby
佐々宝砂
夜風に杉の葉が揺れる
誰かの約束が
ほろり
足先に落ちてころがる
さあ 準備はOK? わたし
夜露でつめたいブルーシートに
さかなたちの影が泳ぎくる
さらりひらり木の葉よりかるく
あれは
夜の川のさかなたち
さあ 目を閉じて わたし
みかんの白い花が
まぶたのうえに舞い落ちる
あぶくたつ白い波が
轟音とともに耳になだれこむ
さあ 今度こそ ほんとうに
行ってきます
わたしが属する世界に
わたしは戦わねばならない
あなたと ではなくて
あなたのいない
あそこで
さあ おやすみなさい わたし
自由詩
Shaman's Lullaby
Copyright
佐々宝砂
2005-06-13 01:53:27