おぼろげ
たもつ
空は鋼鉄製の空
優しい飛行機だけが
僕らの所有する
すべてだった
乗客は皆
海のかたちをしていて
ポケットは
いつもだらしない
客室乗務員が
小学生のように
一人
また一人と
忘れられていく
きれいだったね
透きとおってないものは
どこまでも
透きとおってもよかった
自由詩
おぼろげ
Copyright
たもつ
2005-06-07 08:55:43
縦