すべてのあとで
たもつ


すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった

少年は喧騒と沈黙でごったがえす市場通りの
人波をかきわけて原っぱのようなところについた
足元に落ちていた扉の鍵穴を拾い上げて覗いてみる
何も見えない
あたりまえだ
向こうに部屋など無いのだから

これから種をまいていく
転がっている靴の数だけ種をまくのだ
少年は誰に誓うでもなく
何となくそう思った




自由詩 すべてのあとで Copyright たもつ 2005-06-02 12:47:45縦
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