トランプ
大町綾音

「異世界への扉」

ガリレオを信じていた幽霊が
異世界への扉を開いたら
見事に恐竜の生きている世界!
過去と未来の違いなんてないんだよ


「センチピード」

それは細長い
むかでみたいな銀色のやつ
って、
歌った音楽家がいたよ
ん?
センチピード?
センチビート?
センチメント?
センチモア?
クリサンシマム。
それは、やわらかな革命の歌
だから、トランプといっしょに歌っちゃいけない!
ゆっくりと草を食んで、
牧草地に牛がいるね。


「鐘を鳴らせば」

鐘を鳴らせば
人が応える
教会の鐘が鳴るとき
それは王様を選ぶとき
人の営みを新たに報せるとき
歌は歌われる
音は鳴らされる
ああ、新しく糧を蓄えよ
ああ、新しく一歩を踏み出せ
そのひとは
本当に
優しかったのだから
酒場で人を殴ったりもした
だけど
だから
悲しんでいる人の前では
いつでも頭(こうべ)を垂れた
悲しみの歌を歌った
喜びの歌を歌った
回心の歌を歌った
満身創痍の感動で
終わりつつある世界にノーを言った!
ああ、
そのひとの死がどうか尊いよう

鐘を鳴らせば
人が応える

教会の鐘が鳴るとき
それは本当の王様を選ぶとき


自由詩 トランプ Copyright 大町綾音 2025-04-30 10:48:57
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