詩
りつ
「詩」
うたが生まれる
まだ何の手垢もついていない
まっさらなうたが
まだ逃げる気ですか
鬼ごっこをするとは言ってませんよ?
それに何で私が“鬼”なのですか
そりゃ“鬼子母神”に似ておりますが。
全ての思想主義主張から
解き放たれた自由に伸びてゆくうた
あなたとなら詩えるかもしれない
可能性を潰しますか?
ならば私は
ひとりで生きてゆきましょう
もう戻れない過去だから
「あなたへ」
あなたにぶら下がる気も
喰いものにする気もございません
お金も贅沢も、
今の私は興味がありません
況してや“力”など決してほしいと思いません
騙されていたとしてもかまいません
大丈夫!
ひとりで生きていく覚悟もできています
ひとつだけ、ひとつだけ。
お願いがあります
とても切実な願いです
ひとよ抱いてほしいのだけれども
それが無理なら
ただ一度だけ
キスして下さい
愛の夢を一生大切に生きてゆきます。
「キス」
月が落っこちてくるのを見て
ふたりで涙がでるほど笑い転げた
わたしたち、今日死ぬのね。
いいさ、それでも。また出逢うから。
怖い?
怖くない。ちっとも怖くない。
あなたが側にいてくれるから。
微笑みあいながら
わたしたちは
眠るためのキスをした