獣のうた
秋葉竹


  

どれほど孤独を気取っても
想えばオレはこれっぽっちも
ひとりっきりじゃあ
なかったなぁ

獣のようなガラスの気持ちを
持ってたわけでも
なかったなぁ

ただ、
甘えて
彼女に、
甘えて
いただけで

それでなんだか
無理矢理にでも
獣を気取っていただけだよなぁ

オレは、
彼女の
悲しみをどうにかしたいと
絶対云わない悲しみをどうにかしたいと
想い、希い、けれど、ただ、
夢みてるだけの
チンケな人間だったんだよなぁ


夜は、寒い
寒くて、寒くて、寒すぎて
心を焼きたくなる、そんなわがまま
彼女のためにならないから
けっして、
彼女のためにならないから
ただ、眠ろうと想う

眠れば、
桃色の笑顔で笑ってる
彼女に
たとえば夢の中でなら
出逢えるかも
しれないだろ?

オレは
彼女を泣かせてばかりいた
まったくバカな
奴だったよ

それだけに
今朝
気づいて
バカみたいに
声を上げて泣いている



ミヤァミヤァと
泣く猫の子もうるさいが
それより泣いてる奇矯な心










自由詩 獣のうた Copyright 秋葉竹 2024-11-23 10:40:20
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