夕暮れのポタージュ
天使るび(静けさが恋しい)



 夕陽を見ると嬉しくなる。ビルの四階の窓から同じ方向に向かってゆくカラス。気持ちいいくらい可愛らしいなおまえら。豆粒よりも小さくなって帰れる場所に帰ってゆくのだ。

 甘納豆ってすごくしょんぼりしているね。うふって笑っているようなひよこまめが理想だよ。

 血祭りから血の気が消え失せるのはいつになることだろう。ぼくたちは競うように大きくなったのだ。そのままの身体で還れる場所があるなんて本気で想っているのかい。

 信仰心は必要だよ。目蓋を閉じたところにも命はあるよ。カーテンの向こうから生えてくる無数の光りの腕に包まれて身体ごと見えなくなるまでぼくを抱いてほしい。



自由詩 夕暮れのポタージュ Copyright 天使るび(静けさが恋しい) 2024-11-20 16:29:41
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