夜が好き
秋葉竹




闇よりも
やさしい眼差しする君の
蛍みたいなうたを聴きたい


満月を
神さまの目と想うのは
疾しい希みを胸に飼うから



終わらない
悲しみ色の五月雨が
歌をかき消すガラスを伝うよ



夜なんて
無くてもちゃんと大丈夫
寂しくないさと嘘つく寂しさ



泣くなんて
ちょっと弱くて嫌だなぁ
なんて涙をこらえるひとり寝


なんとなく
好きであるのはなんとなく
好きなんだからでいいと信じる



手に持った
少し重たい憎しみを
溶かしてくれる愛が欲しいな


夜が好き
眠れないまま過ごしゆく
小雨のなかの静まりが好き













短歌 夜が好き Copyright 秋葉竹 2024-11-09 09:56:39
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