夜が好き
秋葉竹
闇よりも
やさしい眼差しする君の
蛍みたいなうたを聴きたい
満月を
神さまの目と想うのは
疾しい希みを胸に飼うから
終わらない
悲しみ色の五月雨が
歌をかき消すガラスを伝うよ
夜なんて
無くてもちゃんと大丈夫
寂しくないさと嘘つく寂しさ
泣くなんて
ちょっと弱くて嫌だなぁ
なんて涙をこらえるひとり寝
なんとなく
好きであるのはなんとなく
好きなんだからでいいと信じる
手に持った
少し重たい憎しみを
溶かしてくれる愛が欲しいな
夜が好き
眠れないまま過ごしゆく
小雨のなかの静まりが好き