時の止まった場所
りつ

その場所は
晩秋でかなり寒かったのだが
蚊がブンブンと勢い良く飛び回り
木槿が満開で
秋桜コスモスも乱れ咲いていた

ロストワールドに紛れ込んだみたい

その不思議な空間で流星を見た
夜空は星で明るくて
街頭が無ければ
こんなに星が暖かい
一晩中
オリオンが
天空を東から西へ
ゆっくり動くのを観ていた

時の止まった場所で
ひとだけが老いてゆく
見果てぬ夢をみながら
からだだけが年を取る

夜明けとともに
私の時間は動き出し
失われた世界から帰還した


昇ったばかりの太陽のひかりが目映かった


自由詩 時の止まった場所 Copyright りつ 2024-11-02 09:01:21
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