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小さな引き出しがたくさんあり
ひとつひとつ開けてみると
よく知ってるものが入っている
探しているものはそのどれでもない
どこへしまったのだっけ
そもそもしまったのかどうかも怪しい
引き出し以外の洞窟に入ったり
崖にぶら下がる鎖を掴んで登っても
どうにも見つからない
一日の終わりの合図が風のように吹く
光を採り入れる窓のシャッターが下りはじめ
探していた行為は行き場を失くして土に還った
暗闇になっても星座みたいな線と点が
選り分けられて小さな引き出しにしまわれた
しまわれなかったものは細かく粉砕され
時限式YumeTubeとなって一度きりの上映をした
グッドやバッドボタンを押すと
全部か一部は小さな引き出しに収められた
残ったものは掃除機に吸われた
アラームが鳴るとシャッターが開く
ランニングマシーンが高速で動いている
考えるより先に飛び乗った
時刻の数字が強迫しながら追いかけてきた


自由詩 meta Copyright  2024-11-01 18:48:08
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