この街は
レタス

この街の住人は
みな個性の固まりを持っていて
手のひらをこじ開ければ
様々な結晶が握られている

世間では狂気に満ちた街だという
ただ 
それを人に見られるのが恥ずかしいのか
面倒なのかわからないけれど
大切にしているものをなかなか見せたがらない

ぼくはみどり色の結晶を転がして
飽かず眺めている
恥ずかしくもなく
面倒とも思わず
ためらわず人前に晒して見せる

あぁ…… もうこんな時刻がやってきた
時計の針はやがて強制睡眠を指し示す
明日の天気は良いようだ


自由詩 この街は Copyright レタス 2024-10-31 21:51:38
notebook Home 戻る