嘘をついてよ。
秋葉竹
まるで孤児になったような
寂しさを
母親が亡くなったときに
感じた
いや、きょうだいもいるのだが
あるいは、つれあいさえいるのだが
天涯孤独に
なったって
感じたって
はなし
泣けなかったけど
じつは
夢のなかで
泣いた
って
はなし
バカばかりして来たなぁ、と
沈みかけの夕陽をみて
子供のころの
5時を過ぎたら探しき来てくれた
かぁさんのながぁい影を
想い出したりする
生きてくことって
ホントのホントは
おもしろおかしくやれればいいんだよね
ギシギシと
歯噛み
睨みつける
声の限りに
罵りたくなる
そんな愚かな感情なんて
ダメだね。
って
はなし
そして、
ただひとり
たがために、泣くのか。
ただ夢で
触れても冷たい肌をして
愛していたよと嘘をついてよ。