Soul Love 独り人の 、(改訂)
ひだかたけし
冷える朝の大気の最中を
自らの熱しっかり保ち
駅階段昇り歩む人の
ひとりの影踏み締めながら
独りに次第に成りては
歌声内に鳴らし響かせ
明るむ意識にふと眼をぱちくり
駅最階上の奇跡の光景の如
群れなし走りゆく子らを見送る
育まれる肉の命の次々と
滅びゆく肉の命を幾度も見送り
貫く普遍の胎動の揺らぐこと無く
絶え鳴る魂の内の神聖を眼差し
次第に凍り付きゆく夜の最中に
独り人の内なる神聖に跪き
もはや血の神聖な記憶ではなく
自らの内に浸透し生きる神聖、
わたしの中の他者〈私である〉を
明るむ意識を更に明るませ
眼差し凝視し生きんと意志する
独り人の 、
夜は次第に更けゆき
移行する時の流れに
未だ群れなし走りゆく子らの
盛んな永久なる命の胎動を聴く
盛んな魂の愛の木霊を聴く