病棟日誌
レタス
彼女はゆらゆらと深海魚のように
磨かれた廊下を歩く
手のひらに握られたピースがあまやかに香った
休日の病棟はとても静かで
耳を澄ましてみても無音の廊下は揺るがない
空気は澄みわたり
光の廊下を彼女はゆっくりと歩いてゆく
ぼくは彼女の歩調に時計の針を合わせながら
食事の時間を待っている
栄養課は工夫を凝らし
何時の日からか進化していた
昼のメニューは
アンサンブルエッグ
キノコとハムとマカロニのマリネ
あらびきソーセージと野菜のコンソメ煮
旨い……
静けさの至福を味わっている
自由詩
病棟日誌
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レタス
2024-10-27 20:26:40
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