タイムシフター
トビラ

海の底、そこに思い出の全部を置いて
秋の風、切なさが頬をかすめる
設営された映写館
新しい貴方の仮想的根拠は
有償ではなくて
条件なんてないよ
ただここで抱きしめられて
胎児みたいに眠る
僕らはたった一つの命を
宿して今を生きて
宇宙の細胞、その一雫
うちわが必要だった
あおいで、青を泳いで
ここまで
三年間をよく噛んで
うつぶせからあお向けに
一日一日をめくって
今ここで海から上がる
怪獣みたいに
夜明けを志すんだ


自由詩 タイムシフター Copyright トビラ 2024-10-14 22:20:21
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