空色
秋葉竹
ありがとう、って
云えたらいいのかもしれないね
ずっと想いを寄せて来た
まるで
一生分の好きって想いを
ひとえに彼女に捧げて来た
ほんとうなら
暗い世界に対する
この満たされない気持ちや飢餓感を
恨みや憎しみに変えてもいいのかもしれない
けれども最後の一線を
越えずにいられたのは
きっと彼女のおかげなんだろう
ま、いちいちお礼を
云ってはいないけどね
ありがとう、って
云えたらいいのかもしれないね
けれどもうっすらと
恥ずかしくて
云えやしないんだ
そもそもふたりはチームだしね
運命の糸でつながれてる
なんて妄想もしたりするだけでね
けっして口には出さないんだ
口にすると
なにかが崩れ落ちそうな気がして
夜、
手をにぎりあって
過ごしたあの夜、
ダイヤモンドみたいに
キラッキラに
輝いてるあの夜、
僕たちふたりは
なにになったんだろうか?
恋歌を幾百幾千書こうとも
紙には書けない彼女の空色