眠りわずらい(秋の夜長に・・・)
田中教平/Kou

秋の夜長に眠れない
眠りわずらい
抱えてひとり
私の呼吸は不器用だ
きっと長年の喫煙が関係している
今瞼が腫れているように
重たいが
眠れないんだよ

それは小事に過ぎない
しかし火照った頭にとって
なにぶん大事のような気もする
星が
空を焼きつけている
私は
おお
やっているなと思う

書斎にマスカット味の水を持ち込み
シトラスの薫りを嗅ぎながら
キーボードを叩く
微弱な力の放散で
どうにかこうにかなる気もする
分からない

分からないから良いとも思う
すべては流れてゆくし
すべては流れてしまった
残像の私は口を噤んだ
じぶんの饒舌に恥ずかしくなっちゃった

 


自由詩 眠りわずらい(秋の夜長に・・・) Copyright 田中教平/Kou 2024-09-27 22:44:53
notebook Home