納豆
たもつ
納豆をかき混ぜると
遥かユーラシアから
吹いてくる風がある
父は砂糖を入れるのが好きだった
母はそれを好まなかった
わたしは優しくありたかった
皆、少しずつ欠落していって
比喩は意味を失った
わたしはわたしがいるはずの無い
今日を思う
納豆の糸が風にそよぐだけの
今日という日を思う
自由詩
納豆
Copyright
たもつ
2024-09-26 07:06:36