夕鳴り
りつ

その日は朝から晴れるだろう


神々しい耀きが沈もうとする刻
それは始まる

暁く染まった静くが 一雫
茜く沈んだ沈黙が 一雫
赫く咲いた聲なき聲が 一雫
朱く霞んだ無言が 一雫
灯く灯った涙が 一雫
緋く音なくもえる陽が 一雫
赭く生まれた焔が 一雫
証く明い真実が 一雫

全てがかさなり響く夕鳴り

とおくちかくながくみじかく
とわにくおんにひびけやひびけ
いやまして

荘厳な煇の夕鳴りは
やがて美しい鐘の音になる


そうだ
祝福の鐘が鳴る




自由詩 夕鳴り Copyright りつ 2024-09-24 20:12:21
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