珠玉
レタス

釣りから帰ると
ポストに1通のメールが届いていた
一滴ひとしずくの涙が零れ落ちる
それは川に流され海へと溶けていった

琥珀の水に氷を沈め
紫煙をくゆらせながら
そっと息を吐く

掛けたがえたボタンに気が付いた
手のひらで珠玉を転がしてはいけない
宝石箱に閉まっておくべきだった

傷付け
傷付きあいながら
真夏の想いでが通り過ぎてゆく

秋には透明な往復書簡を交わしたいと願う






自由詩 珠玉 Copyright レタス 2024-09-20 13:06:38
notebook Home 戻る