スロウダンス
りつ



夜の帳を漂いながら
時の灯りが揺れるのをじっと視ている
紫煙の向こうに浮かび上がる幻は
優しく誘う

ゆっくり両腕をしならせ
白い鳥になって翔んで逝きたい
反らした上半身の柔らかな膨らみは
深い呼吸で蕾が開く
大地を踏みしめる片足と
空気を抱く片足と
両の脚は逞しくも軽やかな羽根のよう

時の灯りが揺らぐまま
暖かな雪の降る夜


あなたの幻と踊り続ける夢をみる



自由詩 スロウダンス Copyright りつ 2024-09-20 09:39:04
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