父が自称詩人だった
花形新次

父が自称詩人だった
母が泣きながら
私に告白した
結婚する前から
ずっとだと言った
長年我慢して来たけれど
もう限界だと崩れ落ちた
私は薄々そうなのでは
ないかと思っていた
しかし直接聞こうとは思わなかった
もし聞いてしまったら
本当に自称詩人だったら
世間に知られる前に
私の手で何とかしなければならない
その思いが私を躊躇させた
だが、父は紛れもなく自称詩人だった
知ってしまった以上
もうやるしかない
決行するのは今夜
父が自称詩を投稿している
まさにその時だ
父の血飛沫がモニターの自称詩を
赤く染めるとき
私達家族に真の平安が訪れる


自由詩 父が自称詩人だった Copyright 花形新次 2024-09-18 17:41:29
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