詩想、「自己存在」という問い・今の私という境地5
ひだかたけし
森林、静まり返り
雨、細やかに
濡れる アナタの唇
深紅の色彩に燃え
降り頻る降り頻る
森林の奥から
研磨された氷柱の意識
呼び起こし招来し
チリチリと
視界に光の粒子
無限に散りばめられ
今に燃える アナタの唇
深緑の集団の魂から解き放たれ
降り頻る 、雨の静かさ
森林を細やかに濡らしゆき
冷え切る忘却の群れに
今、真紅の色彩 火を放つ。
「お前の中に思考のいとなみを見よ。
そのときお前は宇宙の仮象を体験し、
自己存在はお前から身をひそめる。
仮象の中に沈潜せよ。
そのときエーテル存在はお前の中を吹き流れ、
自己存在はお前の霊の指導力を
敬わなければならない。
お前の中の感情の流れに耳を傾けよ。
そのとき仮象と存在が混ざり合い、
自己存在は仮象の方に身を寄せる。
だから仮象ー存在に沈潜せよ。
そうすれば宇宙魂の力がお前の中で働く。
自己存在は魂の中の生命作用を
大切にしなければならない。
お前の中に意志を働かせよ。
意志は一切の仮象ー存在の中から、
自己存在と共に創造しつつ現れる。
お前の生命のすべてを意志に向けよ。
意志は宇宙の霊の作用力に充ちている。
お前の自己存在は霊の自我の中で
宇宙創造者の作用力を捉えなければならない。」
*「」内、ルドルフ・シュタイナー『秘教講義2』より