へや
そらの珊瑚
さらさらと雨はふる
そんな日はるすばんだった
家の人がいなくなると
いくつかのへやがあらわれて
ぼくをまっていた
ぼくがひとりになるのをまっていた
孤独のかんむりをかぶり
手の中にはたったひとつの鍵
てざわりは
冷えて固まった花崗岩のようです
行こうとしているへやのまえには
おがわが流れていて
鍵を落とさないように
注意深くからだをのばした
鍵穴はぴたりと合う鍵によって完成され
予定通りにドアはひらく
そこには
ぼくによく似たぼくがいて
世界が反転するかのように
やあ、きみもるすばんかい、
とほほえむ
さらさらと時間という名の砂はふる