へや
そらの珊瑚

さらさらと雨はふる
そんな日はるすばんだった
家の人がいなくなると
いくつかのへやがあらわれて
ぼくをまっていた
ぼくがひとりになるのをまっていた
孤独のかんむりをかぶり
手の中にはたったひとつの鍵
てざわりは
冷えて固まった花崗岩のようです
行こうとしているへやのまえには
おがわが流れていて
鍵を落とさないように
注意深くからだをのばした

鍵穴はぴたりと合う鍵によって完成され
予定通りにドアはひらく
そこには
ぼくによく似たぼくがいて
世界が反転するかのように
やあ、きみもるすばんかい、
とほほえむ
さらさらと時間という名の砂はふる


自由詩 へや Copyright そらの珊瑚 2024-09-09 10:25:52
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