金縛り
海
一人で寝ているのに
部屋に人の気配
そちらを見るのが怖くて
背中を向けていると
背中に柔らかいものが触れる
やがてそれは体を覆い
急に重くなる
退けようとするけれど
体は動かず
声も出ない
重みと恐怖
足掻いて足掻いて
やっと声が出た途端
重みも消え
人の気配も消え
静けさの中
自分の叫びの残響が
鼓動にこびりついていた
自由詩
金縛り
Copyright
海
2024-09-04 18:51:33